- 2025年10月6日
【松戸市】肥満症に対するマンジャロ治療|医学的根拠に基づいた自費診療

近年、糖尿病治療薬として開発された「マンジャロ(Mounjaro)」が、その優れた体重減少効果から注目を集めています。テレビやSNSでも話題となっていますが、当院では単なる「美容目的のダイエット注射」としてではなく、健康障害を伴う「肥満症」の治療を目的とした自費診療として、マンジャロを導入しました。
本記事では、マンジャロの特徴、適応となる肥満症の条件、費用、副作用、そして当院における安全性を重視した治療方針について詳しく解説します。
目次

マンジャロとは?
マンジャロは、チルゼパチド(Tirzepatide)という有効成分を含む注射薬で、GLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用する新しいタイプの治療薬です。この二重作用により、従来の薬剤よりも強力な効果が期待できます。
マンジャロの特徴
- 開発目的:2型糖尿病の血糖コントロール改善
- 作用機序:インスリン分泌促進、食欲抑制、胃排出遅延作用
- 投与方法:週1回の皮下注射(自己注射が可能)
- 効果:血糖コントロールと体重減少の両方に作用
世界的にも「糖尿病と肥満症の両方に効果が期待できる新世代の治療薬」として注目されており、日本でも糖尿病治療薬として承認されています。
GLP‐1製剤に関する詳細は以前のブログ「糖尿病治療薬!?やせ薬!?GLP-1受容体作動薬とは。ダイエット目的での危険性は?」をご覧ください。

肥満と肥満症の違い〜当院の治療対象〜
「肥満」と「肥満症」は似た言葉ですが、医学的には明確な違いがあります。
肥満:単にBMI 25以上、または体脂肪率が基準値を超えている状態
肥満症:肥満があり、かつ以下のような健康障害を1つ以上合併している状態、または内臓脂肪型肥満で健康障害を起こしやすいと判断される状態
肥満症に含まれる代表的な健康障害
- 耐糖能障害(糖尿病予備群、2型糖尿病)
- 脂質異常症(高LDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)
- 脳梗塞・脳血栓症
- 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
- 月経異常・不妊
- 睡眠時無呼吸症候群
- 運動器疾患(変形性関節症、腰痛症)
- 肥満関連腎臓病
当院では、単に「痩せたい」「見た目を改善したい」という美容目的ではなく、上記のような健康障害を伴う肥満症として医学的に治療が必要な方を対象としています。

当院におけるマンジャロ自費診療
当院では、肥満症を対象とした自費診療としてマンジャロ治療を提供しています。
自費診療となる理由
マンジャロは日本では「2型糖尿病」に対してのみ保険適用となっています。肥満症単独での使用は保険適用外となるため、自費診療での提供となります。
「ウゴービ (セマグルチド)」や「ゼップバウンド(チルゼパチド)」といったGLP‐1製剤は肥満症に対して保険適応がありますが、施設基準の制約があり、基本的にはクリニックでは行うことはできません。
料金について
用量 | 4週分料金(税込) |
---|---|
マンジャロ 2.5mg | 22,000円 /4本 |
マンジャロ 5mg | 35,000円 /4本 |
※診察料は無料ですが、マンジャロの処方がない場合は別途診察料 2,000円がかかります。
※初回、1か月目、その後3ヶ月毎に副作用の評価のために血液検査を行います。別途血液検査料金が 3,000円かかります。
※用量は希望に応じて段階的に調整していきます。
治療の流れ
- 初診(対面診療)
- 問診・身体診察
- 血液検査(肝機能、腎機能、膵酵素、血糖値など)
- 適応の判断と治療説明
- 治療開始
- 2.5mgから開始
- 週1回の自己注射
- 注射方法の丁寧な指導
- 定期フォロー
- 1か月後に血液検査(副作用の確認)
- 以後、3ヶ月毎の血液検査
- 副作用チェックと用量調整
- 生活習慣指導

副作用と安全性への配慮
マンジャロは効果が期待できる一方で、副作用のリスクも存在します。
主な副作用
消化器症状(特に治療開始時に多い)
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 便秘
- 腹部不快感
- 食欲低下
その他の副作用
- 注射部位の反応(発赤、腫れなど)
- まれに膵炎
- まれに低血糖
- 胆嚢疾患のリスク
当院の安全対策
- 少量からの段階的投与:2.5mgから開始し、反応を見ながら必要に応じて徐々に増量します
- 定期的な医学的評価:血液検査で肝機能、腎機能、膵酵素などをモニタリングします
- 丁寧な説明と指導:副作用の初期症状について詳しく説明し、異常時の対応方法をお伝えします
- 禁忌・慎重投与の確認:以下の方には使用できません
- 妊娠中・授乳中の方
- 膵炎の既往がある方
- 重度の腎機能障害がある方

当院の治療方針と特徴
当院では、以下の方針でマンジャロ治療を行っています。
医学的根拠に基づいた診療
- 肥満症の診断は日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン」に準拠
- 単なる体重減少ではなく、健康障害の改善を目標とします
- 生活習慣の改善指導も併せて行います
継続的なサポート体制
- 内科専門医による定期的な診察
- 副作用発生時の対応
- 食事・運動指導を含めた包括的アプローチ
透明性のある診療
- 治療前に費用を明確に提示
- メリットだけでなくリスクも説明
こんな方にお勧めです
- BMI 27以上で、高血圧や脂質異常症などの健康障害がある方
- BMI 30以上の方
- 食事・運動療法を行っても十分な効果が得られなかった方
- 医学的に体重管理が必要と判断される方
美容目的のみの方、健康障害を伴わない軽度の肥満の方は対象外となります。

まとめ
- マンジャロは糖尿病治療薬として開発され、優れた体重減少効果を持つ
- 当院では「肥満症」(健康障害を伴う肥満)に限定して自費診療を行う
- 美容目的のダイエットではなく、医学的治療として提供
- 少量から開始し、定期的な検査で安全性を確認しながら治療
松戸市でマンジャロ治療をお考えの方へ
当院では、単なる「やせ薬」としてではなく、肥満症という疾患に対する治療選択肢の一つとしてマンジャロを位置づけています。
体重が減ることで、高血圧や脂質異常症、糖尿病予備群などの健康障害が改善し、将来的な心血管疾患や脳血管疾患のリスクを減らすことが本来の目的です。
安全性を最優先に、医学的根拠に基づいた適切な治療を提供いたします。
まずはご相談ください
肥満症でお悩みの方、生活習慣病の改善を目指したい方は、まずは当院にご相談ください。診察の上で、マンジャロ治療が適しているかを判断させていただきます。