- 2026年2月18日
インフルエンザB型が流行中!症状・感染対策・受診のタイミングを内科医が徹底解説
こんにちは。丹野内科・循環器・糖尿病内科の田邉弦です。当院がある松戸市では現在インフルエンザB型が流行中で、市内の小中学校では学級閉鎖が多く発生しています。そこで今回はインフルエンザB型に関して説明しようと思います。

「熱はそれほど高くないのに、体の節々が痛くてつらい…」「職場でインフルエンザBが流行っているらしいけど、自分も感染したのかな?」
そんな不安を感じていませんか?
インフルエンザB型は、A型と比べて「症状が軽い」というイメージを持たれがちですが、実際には消化器症状や関節痛が強く出ることが多く、決して油断できない感染症です。毎年冬から春にかけて流行のピークを迎え、特に学校や職場など人が集まる場所でのクラスター(集団感染)が問題となっています。
この記事では、インフルエンザB型の基礎知識から症状の特徴、予防法、受診のタイミングまで、松戸市でクリニックを運営する内科専門医が丁寧に解説します。ご自身やご家族の健康を守るための参考にしていただければ幸いです。
目次
- インフルエンザB型とは?A型との違いをわかりやすく解説
- インフルエンザB型の主な症状と経過
- こんなときは要注意!重症化しやすいケース
- 感染経路と予防法 ─ 日常生活でできること
- 受診のタイミングと治療について
- よくあるご質問(Q&A)
- まとめ

1. インフルエンザB型とは?A型との違いをわかりやすく解説
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザウイルスには、大きく分けてA型・B型・C型の3種類があります。このうち毎年流行の中心となるのがA型とB型です。
A型インフルエンザは変異が激しく、毎シーズン異なる亜型が世界規模で流行します。
一方、B型インフルエンザはA型のように爆発的な世界的流行は起こしにくいものの、国内では毎年一定数の流行が確認されています。細かい話になりますが、B型はさらに「山形系統」と「ビクトリア系統」の2種類に分かれており、どちらが流行するかはシーズンによって異なるそうです。
B型の特徴
B型の大きな特徴は、ヒトの間でのみ感染が成立する点です。A型は鳥や豚などの動物を介して変異が生じますが、B型はほぼヒト専用のウイルスであるため、動物由来の突然変異リスクが低い反面、毎年同じ系統が繰り返し流行することもあります。
また、B型はシーズン後半(2月〜4月頃)に流行のピークを迎えることが多いのが特徴です。A型が流行した後に続いてB型が広がるパターンや、A型とB型が同時に流行するシーズンもあります。最新の流行状況については、国立健康危機管理研究機構のサーベイランス情報が参考になります。

2. インフルエンザB型の主な症状と経過
A型とは少し異なる症状のパターン
インフルエンザ全般に共通する症状として、急な発熱・頭痛・全身倦怠感・筋肉痛などがありますが、B型ではいくつかの特徴的な症状が現れやすいといわれています。
B型に多い症状
- 消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢・腹痛):A型に比べてB型では消化器症状が出やすい傾向があります。「胃腸かぜ」と間違われることもあります。
- 筋肉痛・関節痛:全身の筋肉がズキズキと痛むことが多く、「体を動かすのがつらい」と感じる方が多いです。
- 発熱:38〜40℃の高熱が出ることが一般的ですが、A型よりやや低めの熱で経過する方もいます。特にご高齢の方は発熱が目立たないケースもあり、注意が必要です。
- のどの痛み・鼻水・咳:上気道症状はA型と同様に出現します。
典型的な経過
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は1〜3日程度です。発症後は通常3〜5日で熱が下がり始めますが、咳や倦怠感は1〜2週間続くこともあります。
「熱が下がったから大丈夫」と早めに外出してしまうと、周囲への感染拡散につながります。一般的には、発症 (発熱) 後5日間かつ解熱後2日間は自宅で安静にすることが推奨されています。

3. こんなときは要注意!重症化しやすいケース
インフルエンザB型は多くの場合、安静と適切な治療によって回復しますが、以下に該当する方は重症化リスクが高いため、早めの受診が推奨されます。
- 65歳以上のご高齢の方
- 小さなお子さん(特に2歳未満)
- 妊娠中の方
- 糖尿病・心疾患・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患がある方
- 免疫が低下している方(ステロイド薬や免疫抑制剤を使用中の方など)
また、年齢や基礎疾患に関わらず、以下の症状が出た場合は速やかに医療機関を受診されることをお勧めします。
- 高熱が4日以上続く
- 呼吸が苦しい、息切れがする
- 唇や爪が紫色になってきた(チアノーゼ)
- 意識がもうろうとする、けいれんが起きた
- 水分が取れない状態が続く

4. 感染経路と予防法 ─ 日常生活でできること
インフルエンザはどうやって広がるの?
インフルエンザB型の主な感染経路は2つです。
- 飛沫感染:感染した方がせきやくしゃみをした際に、ウイルスを含む細かい水滴(飛沫)が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。1回のくしゃみで約200万個のウイルスが放出されるともいわれています。
- 接触感染:ウイルスが付着したドアノブ・電車のつり革・スマートフォンなどを触った手で、口・鼻・目を触ることで感染します。インフルエンザウイルスは低温・低湿度の環境下では数時間〜24時間程度、物の表面で生存可能とされています。
日常生活でできる5つの予防策
① インフルエンザワクチンの接種:予防の基本はワクチン接種です。毎年秋(10〜11月頃)の接種が推奨されており、B型に対応した成分も含まれています。発症を完全に防げるわけではありませんが、重症化や入院リスクを大幅に下げる効果が期待できます。
インフルエンザワクチンに関しては以前のブログ「インフルエンザ予防接種の効果と接種時期 | 松戸市の内科医が詳しく解説」をご覧ください。
② こまめな手洗い:外出から帰宅したとき、食事前、トイレ後などに、石けんを使って少なくとも20秒以上丁寧に手を洗うことが推奨されます。
③ マスクの着用:混雑した場所や公共交通機関では、不織布マスクの着用が感染リスクの低減に役立ちます。症状がある方はとくに、周囲への配慮としてマスクをつけることが大切です。
④ 室内の換気と加湿:インフルエンザウイルスは乾燥した環境を好みます。室内の湿度を50〜60%程度に保つことが、ウイルスの生存時間を短縮するとされています。定期的な換気も効果的です。
⑤ 十分な睡眠・栄養・水分補給:意外と軽視されがちですが、免疫機能を維持するために睡眠・食事・水分のバランスを整えることが基本です。「なんとなく体がだるい」と感じているときは、特に意識して休養を取るようにしましょう。
つまり行うことは、インフルエンザA型、新型コロナも変わりません。

5. 受診のタイミングと治療について
いつ病院に行けばいい?
「発熱したからすぐ病院へ」と考える方もいますが、インフルエンザの抗原検査(迅速検査)は発症直後だと正確に判定できないことがあります。発症から12時間以上経過してから受診すると、より正確な結果が得られやすいとされています。
ただし、症状が急激に悪化している場合は早期受診が優先されます。
治療の基本
インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬(抗ウイルス薬)が使用されることがあります。これらは発症から48時間以内に服用を開始すると効果が高いとされており、早期受診の意義のひとつです。
また自宅での安静・水分補給・睡眠も回復の重要な柱です。

6. よくあるご質問(Q&A)
Q1. インフルエンザBに一度かかったら、今シーズンはもうかからない?
A. 残念ながら、同じB型でも「山形系統」と「ビクトリア系統」の2種類がありますので、一度感染しても別の系統に再感染する可能性があります。また、A型とB型は別のウイルスですので、B型にかかった後でもA型に感染することもあります。体調管理と予防策の継続が大切です。
Q2. 検査で「陰性」だったけど、インフルエンザじゃないの?
A. 迅速検査は発症直後には陽性になりにくい特徴があります。発熱から12時間以内だと偽陰性(本当はかかっているのに陰性と出ること)になる確率が高まります。症状や周囲の状況に応じて、検査結果が陰性でも医師が臨床的に診断することもあります。気になる場合は担当医にご相談ください。
Q3. 職場や学校はいつから復帰できる?
A. 学校保健安全法では、インフルエンザに感染した児童・生徒は「発症した後5日、かつ解熱した後2日を経過するまで」出席停止とされています。社会人の方については法的な規定はありませんが、解熱後24〜48時間は感染性が残るとされており、職場のルールに従いながら無理な出勤は控えることが推奨されます。
Q4. 家族がインフルエンザBになった。自分への感染を防ぐには?
A. 可能であれば、感染者との接触を最小限にし、同じ部屋で過ごす時間を減らすことが有効です。接触後は手洗いを徹底し、室内の換気を心がけましょう。ご家族のケアをされる際はマスクの着用が推奨されます。基礎疾患がある方や高齢の方が同居している場合は、早めにかかりつけ医にご相談されることをお勧めします。
Q5. インフルエンザとただの風邪、どう見分けるの?
A. 一般的な風邪は鼻水・のどの痛みから徐々に症状が出てくるのに対し、インフルエンザは突然の高熱・強い倦怠感・筋肉痛・関節痛が特徴です。「いつから具合が悪くなったか」がはっきりわかるほど急激に発症するのがインフルエンザの典型的なパターンです。ただし、確実な鑑別には検査が必要です。

7. まとめ
インフルエンザB型は、A型に比べて軽く見られがちですが、消化器症状や強い関節痛が特徴的で、高齢者・基礎疾患をお持ちの方・小さなお子さんにとっては重症化のリスクがある感染症です。
ポイント
- B型はシーズン後半(2〜4月)に流行しやすく、消化器症状・筋肉痛が出やすい
- 65歳以上・基礎疾患がある方・小さなお子さんは重症化に注意が必要
- 手洗い・換気・マスク・ワクチン接種が予防の基本
- 発症後48時間以内に抗ウイルス薬を使うと効果的な場合がある
- 解熱後も数日は感染性が残るため、無理な外出は避ける
当院 (松戸駅徒歩5分 キテミテマツド8階 丹野内科・循環器・糖尿病内科)では、発熱外来にも対応しております。通勤・通学のついでにも受診しやすい立地です。インフルエンザの検査・診断・治療に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
また、当院では糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の管理を通して心血管疾患の予防に力を入れています。インフルエンザとあわせて、日頃の体調管理についても是非ご相談ください。
執筆者プロフィール

田邉弦
丹野内科・循環器・糖尿病内科 院長
- 日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
- 日本循環器学会 循環器専門医
- 日本心血管インターベンション治療学会 認定医
- 日本内科学会 JMECCインストラクター
- 日本救急医学会 ICLSインストラクター
- 認知症サポート医