• 2025年11月26日

インフルエンザにかかりやすい人の特徴と対策|最新研究が明らかにした予防のポイント

こんにちは。丹野内科・循環器・糖尿病内科の田邉弦です。現在、当院がある松戸はインフルエンザの流行真っ只中にあります。同じ環境にいても「いつもかかってしまう人」と「あまりかからない人」がいることに気づいたことはありませんか。実は、インフルエンザにかかりやすい人にはある特徴があるとされています。

2025年8月、国際学術誌Scientific Reportsに発表された最新研究では、ベイジアンネットワーク分析という先端的な手法を用いて、健康診断データから個人のインフルエンザ感染リスク因子とその複雑な関係性が明らかになりました。

本記事では、内科専門医として、この最新の科学的知見も含めて、インフルエンザにかかりやすい人の体質や生活習慣、そして効果的な予防法について詳しく解説します。ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

  1. 【最新研究】健康診断データが明らかにした感染リスクの複雑なネットワーク
  2. インフルエンザにかかりやすい人の5つの特徴
  3. なぜ免疫力が低下するのか
  4. 年齢別に見るリスクの違い
  5. インフルエンザにかかりやすい生活習慣
  6. 効果的な予防法と対策
  7. よくある質問(Q&A)
  8. まとめ

1. 【最新研究】健康診断データが明らかにした感染リスクの複雑なネットワーク

1-1. 画期的な研究成果

2025年8月、Nature系列の国際学術誌Scientific Reportsに、インフルエンザ感染リスクに関する画期的な研究が発表されました (Terada A., et al.)。この研究では、地方自治体住民の大規模健康診断データを解析し、ベイジアンネットワークという統計手法を用いて、インフルエンザにかかりやすさに関わる様々な要因の複雑な因果関係が明らかにされました。

1-2. 研究が示した重要な知見

この研究により、以下のような重要な発見がありました。

複数の因果経路の存在

健康診断で測定される各項目(血圧、血糖値、肝機能など) から、インフルエンザ発症に至るまでには、単純な一対一の関係ではなく、複数の経路が絡み合っていることが判明しました。

例えば、血糖値の高さが直接的に感染リスクを高めるだけでなく、血糖値が他の健康指標に影響を与え、それらが間接的にインフルエンザへの感染しやすさに関係しているという複雑なネットワークが存在することが分かりました。

個人差の可視化

同じ健康診断の数値であっても、その他の要因との組み合わせによって、インフルエンザへの感染リスクが大きく異なることが示されました。つまり、一人ひとりの健康状態全体を総合的に見る必要があるということです。

リスクの高いグループの特定

研究チームは、個人のネットワークプロファイルに基づいた分析を行い、特にインフルエンザにかかりやすいグループの特徴を明らかにしました。

1-3. この研究が私たちに教えてくれること

この最新研究から学べる重要なメッセージは、インフルエンザへの感染しやすさは単一の要因ではなく、様々な健康状態や生活習慣が複雑に絡み合って決まるということです。

つまり、「この一つだけを改善すればよい」という単純な話ではなく、総合的な健康管理が予防につながるということが科学的に裏付けられたと言えます。よく考えると当たり前のことかもしれませんが。。

2. インフルエンザにかかりやすい人の5つの特徴

最新研究の知見も踏まえながら、臨床現場で実際に見られるインフルエンザにかかりやすい人の特徴をご紹介します。

2-1. 免疫力が低下している人

インフルエンザにかかりやすい最も大きな要因は、免疫力の低下です。免疫力とは、体が病原体と戦う力のことで、この力が弱まっていると、インフルエンザウイルスに感染しやすくなります。

免疫力が低下する主な原因として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 慢性的な疲労やストレス:仕事や育児で休息が十分に取れていない方
  • 睡眠不足:1日6時間未満の睡眠が続いている方
  • 栄養バランスの偏り:偏食や不規則な食生活を送っている方
  • 基礎疾患がある方:糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などをお持ちの方

特に糖尿病の患者様は、高血糖の状態が続くと免疫細胞の働きが低下するため、インフルエンザにかかりやすく、また重症化しやすい傾向があります。前述の最新研究でも、血糖値が他の健康指標との複雑な関係を通じて感染リスクに影響することが示されています。

2-2. 高齢者(65歳以上)

高齢になると、体の免疫機能が自然に衰えていきます。特に65歳以上の方は、インフルエンザにかかった際に肺炎などの合併症を起こしやすく、重症化するリスクが高まります。

厚生労働省のデータによると、インフルエンザによる死亡者の多くは65歳以上の高齢者です。これは免疫力の低下だけでなく、複数の基礎疾患をお持ちの方が多いことも関係しています。

最新の研究が示すように、複数の健康要因が複雑に絡み合うという観点からも、高齢者は様々な健康指標の変化が相互に影響し合い、感染リスクを高めている可能性があります。

2-3. 乳幼児・小児(特に5歳以下)

5歳以下のお子さんは、まだ免疫システムが十分に発達していないため、インフルエンザにかかりやすい傾向があります。また、保育園や幼稚園など集団生活の場では感染が広がりやすく、一度流行すると次々に感染してしまうことがあります。

特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、インフルエンザワクチンを接種できないため、周囲の大人がしっかり予防することが重要です。

2-4. 妊娠中の女性

妊娠中は、胎児を異物として攻撃しないように免疫システムが調整されるため、全体的な免疫力が低下します。そのため、インフルエンザにかかりやすく、また重症化しやすい状態にあります。

妊娠中の方がインフルエンザにかかると、早産や低出生体重児のリスクが高まることも報告されています。そのため、妊婦さんへのインフルエンザワクチン接種は推奨されています。

2-5. アレルギー疾患をお持ちの方

喘息患者様のリスク

気管支喘息をお持ちの方は、インフルエンザにかかると喘息発作が誘発されやすく、重症化するリスクが高まります。インフルエンザウイルスは気道の炎症を悪化させるため、喘息のコントロールが不安定になりやすいのです。

実際に、喘息患者様がインフルエンザにかかると、健康な方に比べて入院リスクが約3倍高くなるという報告もあります。

アレルギー性鼻炎や花粉症との関連

慢性的なアレルギー性鼻炎や花粉症をお持ちの方も、鼻粘膜の慢性的な炎症により、バリア機能が低下している可能性があります。特に、症状のコントロールが不十分な場合は注意が必要です。

アトピー性皮膚炎の方

アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、免疫システムの特性上、ウイルス感染症にかかりやすい傾向があることが知られています。

2-6. 肺炎の既往がある方

肺の機能低下

過去に肺炎にかかったことがある方、特に重症の肺炎を経験された方は、肺の機能が完全に回復していない場合があります。肺組織に瘢痕(はんこん)が残っていたり、肺活量が低下していたりすると、インフルエンザにかかった際に再び肺炎を合併するリスクが高まります。

免疫応答の変化

重症の肺感染症を経験すると、局所的な免疫応答に変化が生じることがあります。これにより、再度呼吸器感染症にかかりやすくなる可能性が指摘されています。

2-7. 医療従事者や接客業など人と接する機会が多い人

職業的に多くの人と接する機会がある方は、ウイルスに曝露される機会が多いため、感染リスクが高まります。

特に医療従事者、保育士、教師、接客業の方などは注意が必要です。不特定多数の方と接する機会が多い場合、マスク着用や手指衛生の徹底がより重要になります。

3. なぜ免疫力が低下するのか

3-1. 生活習慣の乱れ

現代社会では、仕事や家事、育児などで忙しく、知らず知らずのうちに免疫力を低下させる生活を送っている方が多くいらっしゃいます。

睡眠不足の影響

睡眠中には、免疫細胞の一つであるリンパ球が活発に働き、体を修復・回復させています。睡眠時間が6時間未満の状態が続くと、免疫力が約30%低下するという研究結果もあります。

例えば、毎日深夜まで仕事をして5時間程度の睡眠しか取れていない方は、十分な睡眠を取っている方に比べて、インフルエンザにかかるリスクが約4倍高くなるとされています。

ストレスの蓄積

慢性的なストレスは、コルチゾールというホルモンの分泌を増やします。このホルモンが過剰に分泌されると、免疫細胞の働きが抑制されてしまいます。

仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、長期間ストレスにさらされている方は要注意です。

3-2. 栄養バランスの偏り

免疫力を維持するには、バランスの取れた食事が欠かせません。特に以下の栄養素が不足すると、免疫力が低下しやすくなります。

  • ビタミンC:免疫細胞の働きを活性化
  • ビタミンD:免疫調節に重要な役割
  • 亜鉛:免疫細胞の生成に必要
  • タンパク質:免疫細胞の材料となる

ファストフードやコンビニ弁当中心の食生活、極端なダイエットなどは、これらの栄養素が不足しやすく、免疫力低下につながります。

最新の研究が示すように、栄養状態は他の健康指標とも相互に関連しており、総合的な健康管理が重要です。

3-3. 運動不足

適度な運動は免疫力を高めることが分かっています。定期的に運動している人は、全く運動しない人に比べて風邪やインフルエンザにかかる回数が約半分という研究結果もあります。

ただし、過度な運動は逆に免疫力を低下させることがあるため、ウォーキングやジョギングなど、中程度の強度の運動を習慣化することが推奨されます。

3-4. 健康診断データからわかること

前述の最新研究が示すように、血圧、血糖値、肝機能、脂質代謝など、健康診断で測定される様々な指標は、単独ではなく複雑に関連し合いながら、インフルエンザへの感染しやすさに影響を与えています。

例えば、軽度の高血圧や血糖値の上昇を「まだ大丈夫」と放置していると、それらが相互に影響し合い、免疫機能に悪影響を及ぼす可能性があります。定期的な健康診断を受け、総合的な健康状態を把握することが重要です。

4. 年齢別に見るリスクの違い

4-1. 乳幼児期(0〜5歳)

この時期は免疫システムが未発達で、インフルエンザに初めて感染する子どもも多くいます。特に注意したいのは、インフルエンザ脳症のリスクです。

インフルエンザ脳症は主に5歳以下の子どもに発症し、けいれんや意識障害などの重篤な症状を引き起こすことがあります。1歳前後のお子さんは特にリスクが高いとされています。

4-2. 学童期(6〜15歳)

学校という集団生活の場で過ごすため、感染の機会は多くなりますが、免疫システムは発達してきているため、重症化するリスクは乳幼児期より低くなります。

ただし、喘息などの呼吸器疾患をお持ちのお子さんは、インフルエンザによって症状が悪化することがあるため、注意が必要です。

4-3. 成人期(16〜64歳)

基本的には免疫力が最も高い時期ですが、生活習慣やストレス、基礎疾患の有無によって個人差が大きくなります。

特に働き盛りの30〜50代の方は、仕事のストレスや睡眠不足から免疫力が低下しやすい傾向があります。また、この年代から生活習慣病が増え始めるため、複数の健康要因が絡み合って感染リスクに影響する可能性があります。

4-4. 高齢期(65歳以上)

加齢による免疫機能の低下に加え、複数の基礎疾患をお持ちの方が多いため、インフルエンザにかかりやすく、重症化しやすい年齢層です。

また、高齢者は発熱などの典型的な症状が出にくいこともあり、発見が遅れて重症化するケースもあります。

慢性呼吸器疾患をお持ちの高齢者

COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎など、慢性的な呼吸器疾患をお持ちの高齢者の方は、インフルエンザによって呼吸状態が急激に悪化する可能性があります。入院が必要になるケースも多く見られます。

過去の肺炎既往

高齢者で過去に肺炎を経験されている方は、肺の予備能力が低下していることが多く、インフルエンザから肺炎に進展するリスクが非常に高くなります。誤嚥性肺炎の既往がある方は特に注意が必要です。

最新研究が示唆するように、高齢者では様々な健康指標の変化が複雑に関連し合っているため、一つの数値だけでなく総合的な健康管理が特に重要になります。

5. インフルエンザにかかりやすい生活習慣

5-1. 手洗い・うがいの習慣がない

インフルエンザウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫だけでなく、ドアノブや電車のつり革など様々な場所に付着しています。手を介して口や鼻、目から感染することも多いため、手洗いは非常に重要です。

外出先から帰宅した後、食事の前など、こまめに手洗いをする習慣がない方は感染リスクが高まります。

5-2. 乾燥した環境で過ごしている

インフルエンザウイルスは、湿度が低い環境で活発になります。室内の湿度が40%以下になると、ウイルスの生存率が高まり、また鼻やのどの粘膜が乾燥して防御機能が低下します。

冬場、暖房を使用している室内は特に乾燥しやすく、湿度管理を怠っている方は注意が必要です。

5-3. 人混みを避けない

インフルエンザが流行している時期に、マスクをせずに繁華街や満員電車などの人混みに頻繁に行く方は、感染リスクが高まります。

特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、流行時期には不要不急の外出を控えることも一つの予防策となります。

5-4. 予防接種を受けていない

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、発症率を約60%低減し、重症化を防ぐ効果があります。

毎年ワクチン接種を受けていない方は、受けている方に比べて明らかに感染リスクが高くなります。

5-5. 健康診断を受けていない、または結果を放置している

最新の研究が明らかにしたように、様々な健康指標が複雑に関連し合いながら、インフルエンザへの感染しやすさに影響を与えています。

定期的な健康診断を受けず、自分の健康状態を把握していない方、または健康診断で異常値が出ても「まだ大丈夫」と放置している方は、知らず知らずのうちに感染リスクを高めている可能性があります。

6. 効果的な予防法と対策

6-1. インフルエンザワクチンの接種

接種時期

インフルエンザワクチンは、接種後2週間程度で効果が現れ、約5ヶ月間持続します。日本では例年12月〜3月に流行のピークを迎えるため、11月中旬までに接種することが推奨されます。

効果

ワクチンを接種することで、インフルエンザの発症率を約60%減少させ、重症化や合併症のリスクを大幅に下げることができます。

特に高齢者、乳幼児、基礎疾患をお持ちの方、医療従事者などはワクチン接種が強く推奨されます。

インフルエンザワクチンに関しては、以前のブログ「インフルエンザ予防接種の効果と接種時期 | 松戸市の内科医が詳しく解説」をご覧ください。

6-2. 日常生活での予防策

手洗い・手指消毒

石鹸を使って、指の間や爪の先まで丁寧に20秒以上かけて洗うことが重要です。外出先ではアルコール消毒液を携帯し、こまめに手指消毒を行いましょう。

適切な湿度管理

室内の湿度を50〜60%に保つことで、ウイルスの活動を抑え、鼻やのどの粘膜の防御機能を維持できます。加湿器の使用や、洗濯物の室内干しなども効果的です。

マスクの着用

人混みや公共交通機関を利用する際は、マスクを着用しましょう。特に流行期には、感染予防だけでなく、他の人への感染拡大を防ぐ意味でも重要です。

6-3. 免疫力を高める生活習慣

質の良い睡眠

毎日7〜8時間の睡眠を確保することが理想的です。寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室の環境を整えましょう。

バランスの取れた食事

  • ビタミンCが豊富な野菜や果物(ブロッコリー、キウイ、いちごなど)
  • タンパク質(肉、魚、大豆製品)
  • ビタミンDを含む食品(魚、きのこ類)
  • 発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌)

これらをバランスよく摂取することが推奨されます。

適度な運動

1日30分程度のウォーキングなど、中程度の強度の運動を週3〜5回行うことが免疫力向上に効果的です。

ストレス管理

趣味の時間を持つ、十分な休息を取る、リラックスできる時間を作るなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。

6-4. 総合的な健康管理の重要性

最新研究が示すように、インフルエンザへの感染しやすさは、単一の要因ではなく、様々な健康状態が複雑に関連し合って決まります。

そのため、「この一つだけを改善すればよい」という考え方ではなく、以下のような総合的なアプローチが重要です。

  • 定期的な健康診断を受ける
  • 異常値が出たら早めに対処する
  • 血圧、血糖値、肝機能など複数の指標をバランスよく管理する
  • 生活習慣全体を見直す

特に複数の健康指標に気になる点がある方は、それらが相互に影響し合って感染リスクを高めている可能性があるため、かかりつけ医に相談することをお勧めします。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 一度インフルエンザにかかったら、その冬はもうかからないですか?

A. いいえ、必ずしもそうとは限りません。インフルエンザにはA型、B型があり、さらにA型には複数の亜型が存在します。一つの型に感染しても、別の型に感染する可能性はあります。また、同じシーズン中に2回感染するケースも稀にあります。

Q2. ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかりました。ワクチンは意味がないのでしょうか?

A. ワクチンは感染を100%防ぐものではありませんが、発症率を約60%低減し、特に重症化を防ぐ効果が高いとされています。ワクチンを接種していなければ、より重い症状になっていた可能性があります。また、周囲への感染拡大を抑える効果も期待できます。

Q3. 子どもがインフルエンザにかかりやすいのですが、何か体質的な問題があるのでしょうか?

A. お子さんがインフルエンザにかかりやすい主な理由は、まだ免疫システムが発達途中であることと、保育園や学校など集団生活の場で感染の機会が多いためです。特別な体質の問題というよりは、年齢的な特徴と考えられます。基礎疾患がなければ、成長とともに免疫力は高まっていきます。

Q4. 健康診断で少し血糖値が高いと言われました。インフルエンザにかかりやすくなるのでしょうか?

A. 2025年8月に発表された最新の研究により、血糖値をはじめとする様々な健康指標が、複雑に関連し合いながらインフルエンザへの感染リスクに影響することが明らかになっています。軽度の血糖値上昇であっても、他の要因と組み合わさることで感染リスクが高まる可能性があります。血糖値のコントロールを含めた総合的な健康管理が重要です。かかりつけ医にご相談いただき、適切な対応を行うことをお勧めします。

Q5. 数年前に肺炎にかかりました。インフルエンザには特に注意が必要ですか?

A. はい、肺炎の既往がある方は注意が必要です。過去に肺炎を経験された方は、肺の機能が完全に回復していない場合があります。インフルエンザにかかると、再び肺炎を合併するリスクが高まるため、以下の対策をお勧めします。

  • インフルエンザワクチンの確実な接種
  • 肺炎球菌ワクチンの接種 (医師に相談)
  • 禁煙の徹底 (喫煙している場合)
  • 流行期の感染予防の徹底
  • 体調不良時の早期受診

Q6. 家族がインフルエンザにかかった場合、どうすれば他の家族への感染を防げますか?

A. 以下の対策が推奨されます。

  • 患者は個室で安静にし、できるだけ家族との接触を避ける
  • 患者と接する際はマスクを着用する
  • こまめに手洗いをする
  • 部屋の換気を1〜2時間ごとに行う
  • タオルや食器の共用を避ける
  • 予防的に抗インフルエンザ薬を服用する (自費になります。医師に相談)

Q7. 高齢の親がインフルエンザにかかると重症化しやすいと聞きました。特に注意すべき症状はありますか?

A. 高齢者の場合、以下の症状が見られたら早めに医療機関を受診することが推奨されます。

  • 呼吸が苦しい、息切れがする
  • 意識がぼんやりしている
  • 水分が取れない、尿が出ない
  • 持続する高熱(38.5度以上が2日以上続く)
  • 胸の痛みや強い倦怠感

高齢者は肺炎などの合併症を起こしやすいため、早期発見・早期治療が重要です。また、最新研究が示すように、複数の健康要因が複雑に関連している可能性があるため、日頃からの総合的な健康管理も大切です。

8. まとめ

インフルエンザにかかりやすい人には、年齢や基礎疾患、生活習慣など様々な要因が関係しています。特に以下の方は注意が必要です。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 乳幼児(5歳以下)
  • 基礎疾患をお持ちの方
  • 妊娠中の女性
  • 喘息などのアレルギー疾患をお持ちの方
  • 肺炎の既往がある方
  • 免疫力が低下している方

2025年8月に発表された最新研究では、インフルエンザへの感染しやすさは、単一の要因ではなく、様々な指標が複雑に関連し合って決まることが明らかになりました。この知見は、予防においても総合的なアプローチが重要であることを示しています:

基本的な予防策

  • インフルエンザワクチンの接種
  • 手洗い・手指消毒の徹底
  • 適切な湿度管理(50〜60%)
  • マスクの着用

生活習慣の改善

  • 質の良い睡眠(7〜8時間)
  • バランスの取れた栄養摂取
  • 適度な運動習慣
  • ストレス管理

総合的な健康管理

  • 定期的な健康診断の受診
  • 異常値への早期対応
  • 複数の健康指標のバランス良い管理

インフルエンザは、予防と早期対応によって重症化を防ぐことができる疾患です。一つの対策だけでなく、総合的な健康管理を心がけることが効果的な予防につながります。

ご自身やご家族の健康を守るために、できることから始めてみてください。もし発熱や体調不良を感じたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

当院では、発熱外来を設けインフルエンザの診療に対応しております。何かご不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。


参考文献

  1. Terada A., Fujimoto K., Kise K., et al. Network analysis reveals causal relationships among individual background risk factors leading to influenza susceptibility. Sci Rep 15, 30721 (2025). https://doi.org/10.1038/s41598-025-15131-4
  2. 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」

執筆者プロフィール

田邉弦

丹野内科・循環器・糖尿病内科 院長

  • 日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会 認定医
  • 日本内科学会 JMECCインストラクター
  • 日本救急医学会 ICLSインストラクター
  • 認知症サポート医

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